結論から言うと…


「好転反応」はただの揉み返しの言い訳だと思ってます。

好転反応とは


「好転反応は身体の老廃物が流れ出したり歪んでいた箇所が戻ることによって起こるとされているものです。揉み返しとは真逆で体が良くなろうとしているサインです」


多くの健康系のwebサイトではこのように説明されていることがほとんど。老廃物が流れたり歪みが戻ると痛みや頭痛や吐き気という症状が出る。そしてその後は状態が良くなっていくのだといいます。


よく言われる老廃物って何だろうと思って軽く調べてみたら、おかしなことを書いているサイトも多くあって苦戦しましたが、概ねこの3つに絞れました。


・細胞のガス交換などによる交換後の物質
・役割を終えて死んだ細胞など

・回収しきれていない水分


まずは「ガス交換後の不要な物質」。メインは二酸化炭素です。二酸化炭素は血中を流れて肺に運ばれて常に新鮮な酸素と交換がされています。普通に呼吸ができていれば二酸化炭素を体外に排出できますので好転反応とは関連がなさそうです。


次に「役割を終えて死んだ細胞など」は代謝により毒性の強いアンモニアになります。もちろんそのまま放置されるわけではなくて肝臓で尿素という物質に変えられて、腎臓にて尿として排出される仕組みになっています。こちらは肝臓や腎臓が正常であれば完全に排出されます。


アンモニアが増えすぎると高アンモニア血症として「吐き気や嘔吐・呼吸障害・意識障害・けいれんなど異常行動」が現れます。尿素が排出できない場合には「尿毒症」という命を落とす恐れのある病名がつきますが、どちらも施術とは関連がなさそうです。


最後に「回収しきれていない水分」。細胞の中はもとより間質という隙間にも多く存在する水分。施術によって一番変化が起こりそうなのがコレです。しかしながら施術で回収が促進されたとしても静脈に流れるだけなので、起こるとしても一瞬の血圧上昇と頭痛ぐらいでしょうか。

仮にどこかが痛い人がいて施術を受けて老廃物が流れ出るとしても基本的には問題ないし、溜まっているとしたら人体に多大な影響があるはずです。


そして「歪んでいたところが戻る」と痛みや吐き気などがあるという話は聞いたことないです。あったとしても違和感ぐらいだと思います。


どのサイトに載っている説明も納得し難いものが多くてよく分かりません…

揉み返しとは


施術箇所が痛くなった。頭痛がする。余計ひどくなった。


同じくgoogleで調べてみたらこんなことが書いてありました。


揉み返しを簡単に説明すると「微細な筋断裂」です。筋断裂は運動や外部からの衝撃で筋細胞が傷ついていて痛みを起こします。強めの力で施術を受けた場合や、弱い力でも筋線維を横断するような圧がかけられた場合に、筋肉は簡単に傷ついてしまいます。ちなみにマッサージ系の施術では大小問わず微細な筋断裂は発生しています。


痛みに発展するかどうかはマッサージ時の力加減が大きく関わっています。手の力が抜けない、経験不足や熟練していないセラピストが担当した場合に揉み返しを起こしやすいと言われています。


その修復過程において「だるさ」や「倦怠感」が出るし、傷ついた細胞の周辺で炎症反応が起こるため「痛み」と「熱っぽさ」が出ます。また肩や首のまわりで炎症反応が起きると肩こりが余計酷くなったように感じられるし、肩こりからの頭痛も起こり得るんじゃないかと思われます。


先ほどの好転反応と違ってコチラは割と納得しやすい情報が多かったです。

好転反応ではなく揉み返しです


片方は「良くなるサイン」で一方は「ただのダメージ」。「好転反応」と「揉み返し」は真逆なんだそうです。


個人的な見解ですが「揉み返し」を起こしても過剰とはいえ適切な場所に刺激が入っていれば一定の効果が見込めると思っています。そのため「少したつと良くなる」こともあるでしょう。これは好転反応とは真逆とは言えません。


逆に「好転反応」として書かれた内容では揉み返しのような症状を発生させること理論的に難しいです。


このことから冒頭で揉み返しと好転反応は同じものという結論を導きました。


そして推論ではありますが、健康業界における「揉み返しは術者の熟練が足りない」という印象で広く認知されてしまっているために起きた話だと考えています。


なぜなら「揉み返し」が起こったことの言い訳が「好転反応」だからです。


ちょっとした力加減の間違いで起きてしまった揉み返し。それを何とかして無かったことにしようと頑張ってした言い訳がなんとなく説得力があったのでしょう。便利な言葉だったため徐々に「好転反応」という言葉が広まっていって「揉み返し」との区別が難しくなったと考えられます。

鍼灸との融合

ちゃんと調べたわけじゃないのでこれも僕の考えになってしまうのですが元々「好転反応」という言葉を使っていたのは我々の鍼灸の業界ではないかと思います。


なぜかといえば、鍼灸では「いったん悪くさせる」という手法が取られる場合があるからです。


例えば吐き気があった場合には吐き気を抑えるのではなく、あえて吐きやすくして、早めに吐かせることで問題を解決する手法をとる場合があります。これは狙ってやっているのですが、ある一面を見れば吐き気を悪化させていると取ることもできます。


吐かせてしまえばあとが楽になるので、吐き気がピークに向かう過程を「好転反応」として患者さんが不安にならないよう説明をすることはあり得るんじゃないかと思います。


鍼灸とマッサージは同じ学校でほぼ同時に国家資格を取れるため、関係が近いことも影響しているかもしれません。


鍼灸で用いる説明と揉み返しの言い訳が融合したことで「言い訳用の好転反応」という言葉が出来上がっていったんじゃないかと考えています。

技量か知識が不足している恐れがあります

これまでに説明した通り、好転反応は便利な言い訳として使われる側面があります。


ただのマッサージで「好転反応だから安心してください」というような説明をしてくるお店は生理学や一般臨床の知識や人体に対しての知識が不足している可能性が高いです。


在学中に勉強する程度の知識でも「マッサージで謎の老廃物が流れ出ることがない」ことや「老廃物とされている物質が流れ出たとしても問題ないこと」ぐらいは理解できるはずです。


また「好転反応」という言い訳を何度もしなければならないようなところは、その方に合わせた強さを選べない未熟な術者が多くいる可能性があるので、そういったお店は避けた方が無難です。


ちなみに偉そうに語ってきた当院でも「揉み返し」を起こしてしまうことはあります。数はごく少数ですが万を超える施術をしていると中に極端に刺激に弱い方がいて、強さを確認しながらマッサージをしていても揉み返しとなってしまうケースもあります。


どんなに熟練しても絶対に揉み返しを起こさないとは言い切れません。ですがその確率を知識と技術で減らしていくことは可能だと思っています。少なくとも「好転反応」という言い訳をしないで済むぐらいの技術は持っているつもりでいます。


揉み返しを起こしやすい方などは事前にお伝えいただくとより気をつけて施術できますので、施術前に「よく揉み返しを起こすんです」と話をしてみるといいと思います。


今回のお話は以上です。

このブログでは肩こりや腰痛にお悩みの方が少しでもラクになるような情報をお伝えしていきます。次の記事もご期待ください。

免責事項的なやつ

基本的に情報は精査した上で提供いたします。だけど、医学的、科学的根拠に欠ける自分の経験上の話なども含めることが多々ありますのでご容赦ください。

また掲載したセルフケアを行うとき、痛みが出る、痛みが増すようなことがあれば直ぐに中止して、医師の診断を受けてください。これを読んで実施したから症状が悪化したという場合も責任を負うことができないので、その辺だけは十分に注意してください。