「肩こり」に限らず”こり”や”重だるさ”は「発痛物質」が神経を刺激するからと言われています。
では何故その発痛物質が出るのかというと同じ姿勢が長く続いた時に血行障害を起こすからです。
本当はもっと色々あって、筋膜の問題とかウィルスとか、ややこしいのがいっぱいなんで、単純に「血の巡りが悪くなると発痛物質が出る」と覚えておいてください。
人間などの脊椎動物は「動くこと」を前提に設計されています。脳や体を休めるための睡眠中でさえも細かく寝返りをうつなどして動くんです。
関係ありそうでありませんが、虫や鳥類・爬虫類はジッと微動だにしないことが得意っぽいですね。脊椎動物がアレと同じことをしようとしても多分無理です。気配を消すようにどこも動かさずにジッとする。試しにやってみましたが1分もできませんでした。無理。なんかウズウズするしすごくキツイ。
それぐらい人間は「動きたい」んです。でも、デスクワークで腕だけは動いているとか、体のどこか一部でも動いていると他のところが動かなくても、ウズウズ感を感じにくくなります。
そして気づいたら肩がバリバリになってる。
同じ姿勢が長く続くと局所的に毛細血管が圧迫され続ける箇所が出てきます。毛細血管は各細胞まで満遍なく、また複数のルートを持っているので1箇所ぐらい潰されてもそこまで問題になることはないんですが、それでも長く続くと酸素などのエネルギー源が細胞に行き渡らなくなります。
それだけじゃありません。水とか二酸化炭素といった細胞にとって不要になったゴミを血管に戻してお掃除をする必要があるんですが、これも血流がないと捨てられないんです。詰まったトイレみたいなものです。
例えが正しいのかは置いておいて、細胞内に酸素が足りなくなり、捨てられなくなったゴミがたまると「その辺りで何か悪いことが起こっている」と判断されます。
そして「え? なんかヤバいこと起きてるの? どこで?」って感じで野次馬的に出てくるのが発痛物質です。特にブラジキニンという発痛物質は、どんな刺激にも反応できてしまうポリモーダル受容器をガンガン刺激してしまいます。
最初は「重く」感じるだけかもしれません。しかしポリモーダル受容器の特性上、継続して刺激を受け続けると段々とより強く刺激を感じるようになり、重さが「違和感」に、違和感が「痛み」にレベルアップしていくのです。
重さを感じていたら、少しでも早く、体を動かす、マッサージを受ける、温かいお風呂に浸かるなどにて、血流を回復させてください。
ちなみに血流を回復させても、すぐにはつらさは消えないことが多いです。少し時間が経ってからじゃないと効果を感じにくいと思います。そして、それはレベルが上がってしまっている人ほど効果を感じるまでに時間がかかると覚えておいてください。
これがザックリとした「肩こり」の発生のメカニズムです。
ただ、ごくまれに特定の病気などが原因で肩がこったような症状が出ることがあるので、ただの「肩こり」と思っても長く続く、あるいは他に気になる症状がある場合には医師の診断を受けることをお薦めします。
このブログでは肩こりや腰痛にお悩みの方が少しでもラクになるような情報をお伝えしていきます。次の記事もご期待ください。