腰が痛い。肩がこった。
そんなときに頼りがちなのがシップ。

整形外科で処方されていっぱい持ってるという方もいるでしょう。
TVでもよく広告が放送されているし
ドラッグストアでも簡単に手に入る湿布薬。

実は危険性が潜んでいることはあまり知られていません。
今回はその湿布薬の危険性について解説していきます。

特に4月から5月あたりが一番危険性が高くなるのですが湿布薬に副作用があることを知る人は意外と少ないです。一生完治しない重篤な副作用もあるので少しでもその可能性を減らせるようにお伝えいたします。

「たかがシップでしょ?」
「しょっちゅう使ってるけど問題が起きたことはない!」
「どうやったら副作用を防げるの?」

疑問などもお答えできればと思いますので最後までお付き合いください。

副作用その1 かぶれ

かぶれはいちばん多い副作用です。湿布薬の成分であるカンフル剤や温湿布に含まれるトウガラシの成分によって引き起こされるものと、肌にしっかり付くように表面に塗られている粘着剤によって引き起こされるかぶれがあります。

特に薄くて茶色い「テープタイプ」の湿布は長時間つけるとかぶれやすいです。基本的にはどの湿布も4〜5時間程度で剥がして、再び4〜5時間ぐらい間を空けてから貼るようにしましょう。

あとは入浴時にも注意が必要です。剥がしてすぐの入浴と、出てすぐに湿布を貼ることもかぶれの原因となりやすいです。剥がしたあとにお風呂に入ったことがある方はわかると思いますがお湯をかけるとその部分がピリピリとします。これは皮膚に弱い炎症が起きている可能性があり、温めることで炎症が強くなります。またお風呂上がりの皮膚は防御力が低下しています。そこに湿布をピタっと貼ってしまうと通常よりもかぶれを起こしやすくなります。

副作用その2 喘息

実はちゃんと湿布の注意書きに記載があります。

解熱鎮痛剤や経皮鎮痛剤(湿布のこと)、消炎鎮痛剤によって引き起こされる喘息をアスピリン喘息といいます。

湿布を貼ってから30分以内に喘息のような症状が出たり、元々持っている喘息が悪化するようなことがあれば湿布を中止して呼吸器系のお医者さんに相談するようにしてください。

このアスピリン喘息。原因が完全にわかっているわけではありませんが湿布が原因のひとつとなり得ることも頭の片隅に置いておいてください。

また喘息を持っている方でも問題なく使えるものもあるのでお医者さんに相談した上で湿布を選ぶようにしましょう。

副作用その3 消化性潰瘍(消化管出血)

湿布の中には経皮鎮痛剤と記載されているものがあります。代表的なものとしてはロキソニンテープ・モーラステープ・ボルタレンなどがあります。

これらは非ステロイド性抗炎症薬として扱われます。非ステロイド性抗炎症薬は頭痛などの痛み止めとして処方される薬です。

大雑把にいうと薬としてお水と一緒に飲むか、皮膚に貼り付けて成分を吸収するかの違いだけなので、痛いところがたくさんあるからといって大量に湿布を貼り付けていると、痛み止めの薬の用法容量を守らずに飲みまくっているのと同じことになります。

症状的にはいくつかありますがその中でも消化器症状を起こしやすいので注意しましょう。腹痛や吐き気だけではなく、消化管出血や消化性潰瘍等も起こりますので同時に複数枚を使うことは避けて、大判タイプで2枚程度にとどめておくようにしてください。

副作用その4 光線過敏症

日光を嫌がる女性

おそらく今回挙げた副作用の中で最も厄介なのがこの光線過敏症です。
なぜなら完治しないことがあるからです。

光線過敏症は言い換えると日光アレルギーのようなものです。日光に当たると湿布を貼った部分がそのまま四角く炎症を起こしてしまいます。強い痒みと皮膚のただれ。それがきっかけで外出したくないなど、人生に関わるような症状を起こしてしまう可能性があるのです。

そして原因として多いのが「知らなかった」「剥がすのを忘れていた」という二つ。

今回は「知らなかった」という部分だけでも無くしてもらおうと思ってコレを書いてます。

茶色のテープ系の湿布に多く含まれているケトプロフェンやジクロフェナクという成分は効果的に痛みの原因を抑えますが、それだけではありません。

注意書きの部分。少し字が小さいので書き起こしてみます。


貼付部を紫外線にあてると光線過敏症を起こすことがあります。
(1)戸外に出るときは天候にかかわらず、濃い色の衣装、サポーター等を着用し貼付部を紫外線にあてないでください。
(2)はがした後、少なくとも4週間は同様に注意してください。


このような記載がされていました。気軽に使っている湿布ですがちゃんと紫外線から守ることを意識したことは少ないのではないのでしょうか。

さらに厄介なのが(2)に記載されているはがしたあとも4週間は紫外線にあててはならないという点です。例えば4月や5月に湿布を使って1ヶ月後。だんだんと薄着になっていく季節。湿布をしたときは長袖などで隠れていたところが露出したときには紫外線にあたってしまって症状が出る。

中には湿布をはがしてから3ヶ月が経過していたのに症状が出てしまったというケースもあります。

ちなみに薄着になったときの対策としては「日焼け止め」があります。紫外線吸収剤不使用、あるいはノンケミカルと記載のあるものであれば使用に関しては問題ないとされていますので、湿布を貼った1ヶ月後には海水浴にいく、みたいな方は水に強くてノンケミカルな日焼け止めで対策してください。

痛みをとるには便利な湿布。使用に関しては十分な注意と副作用に対する知識が必要となります。今回挙げた副作用で「かぶれ」以外は頻繁に起こるものではありません。しかし使い方を誤ってしまうと外に出ることが困難になるような重篤な副作用が起こることもちゃんと認識をする必要があります。特に年配の方が大量に湿布を貼っていたり、貼ったことを忘れていたりすることが多いので身近な方が使用に際して注意を向けられるといいかなと思います。

まとめ

  • 長時間だとかぶれるので貼ったら数時間ではがしましょう
  • 喘息に注意
  • 貼りすぎは痛み止めの飲み過ぎと一緒
  • 貼ったところに紫外線を当てちゃダメ
  • 1ヶ月は紫外線に当てないように
  • 紫外線対策は日焼け止め(紫外線吸収剤不使用・ノンケミカル)
  • たかが湿布だと侮らない
  • 身近な人がちゃんとみてあげる


今回のお話は以上です。

当院は渋谷区の幡ヶ谷にあります。お近くの方で身体の調子が悪くなってしまったときは相談だけでも大丈夫。少し離れているところは出張もありますのでお気軽にお問い合わせください。

このブログでは肩こりや腰痛にお悩みの方が少しでもラクになるような情報をお伝えしていきます。次の記事もご期待ください。

免責事項的なやつ

基本的に情報は精査した上で提供いたします。だけど、医学的、科学的根拠に欠ける自分の経験上の話なども含めることが多々ありますのでご容赦ください。

また掲載したセルフケアを行うとき、痛みが出る、痛みが増すようなことがあれば直ぐに中止して、医師の診断を受けてください。これを読んで実施したから症状が悪化したという場合も責任を負うことができないので、その辺だけは十分に注意してください。