腰を痛めたときにどこにみてもらうのがいいの？
鍼？整骨院で電気治療？
ついでに整体とマッサージの違いなんかもお答えします
まずは何が違うのかを考えてみる
整形外科
整形外科は骨・軟骨・筋・靭帯・神経を対象とした病気や外傷を診てもらう場所です。担当してくれるのは医療系最強資格である「医師免許」を持ったお医者さんです。痛めた原因や場所を判断するためにレントゲン撮影。場合によってはMRIやCTなどを駆使。何がどうなっているのかを判断してもらえます。
整骨院/接骨院
整骨院/接骨院は骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などの怪我に対する応急処置をしてもらえる場所です。健康保険が適用される場合があります。担当してくれるのは「柔道整復師」という国家資格を持った先生です。医師ではないため画像診断を行うことはできません。やってもらえるのは電気治療と簡単なマッサージなどです。
鍼灸院
鍼灸院は様々な症状への対応ができます。痛み・違和感・コリ・疲労感・精神的なもの・体質改善などなど。対応範囲が広い分、店舗や術者によって対応できるものが異なっていることがあります。担当してくれるのは「鍼灸師」という国家資格を持った先生です。実は「はり師」と「きゅう師」で資格がわかれています。余談ですが鍼の資格は持っているのに灸の資格はないという人もいます。こちらも医師ではないため画像の診断や病名を告げることはできません。やってもらえるのは鍼や灸による施術。
マッサージ院(国家資格あり)
マッサージ院も鍼灸院と同様に痛み・違和感・コリ・疲労感・精神的なもの・体質改善などなど、広い範囲の症状に対応しています。店舗や術者の考え方で対応できるものが変わってくるのも鍼灸院と同様です。担当してくれるのは「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格を持った先生です。本来マッサージを行うにはこの資格が必要です。あん摩マッサージ指圧師も医師ではないので画像診断などは行えません。やってもらえることは名前の通りマッサージ。主に指圧などの技術が使われることが多いです。
整体院
整体院は振り幅が大きすぎて名前だけでは何をしてくれるかがわからないです。担当するのは「無資格」あるいは「民間資格」の人。民間資格は誰かが勝手に認めただけ。どういった勉強をして何ができるのかは分かりません。ウチもそうですが最近は国家資格を持った人が開業しているケースがあるので余計にややこしいです。整体も本来的にはあん摩マッサージ指圧師の資格が必要です。やってもらえることはお店によって様々。マッサージっぽい施術もあれば揺らすだけだったりします。
もみほぐし系
無資格マッサージです。担当するのは「無資格」「民間資格」の人たち。多くは語りません。やることは違法なマッサージです。
整形外科一択
首や腰が痛くなった。肩が痛い。そんなときに選ぶのは「整形外科」一択です。
整骨院・鍼灸院・マッサージ院では肝心な診察と診断ができません。整体やもみほぐしは論外。どこかを痛めてしまった場合のファーストチョイスは絶対的に整形外科などの病院です。
大きな理由が２つ。ひとつは「背景にあるヤバい病気の可能性の排除」です。内臓疾患で背中が痛くなることを知っている人もいるのではないでしょうか。癌の症状として背骨が痛むこともあります。単に背中が痛いとか腰が痛いだけであってもヤバい病気じゃないかをチェックしておく必要があるんです。そしてそれは医師にしか行うことができません。
もうひとつは「画像診断」です。背中が痛いと思ってたら肋骨にヒビが入っていたみたいな例は多々あります。そんな状態でもみほぐしなどのお店でなんとかしようと思ったら、痛いところを念入りに押されてヒビから完全骨折に進化してしまうかもしれません。
行っても湿布と痛み止めしかもらえなかった。やれることはないので安静だけ勧められた。
そんな経験から整形外科以外を選択される方もいるんですが、背景に潜むヤバい病気がなかったことや骨折やヒビなどの不全がないことを証明してもらえることは大きなメリット。そして当然ですが保険治療となるので高くても数千円。それで安心を買えると思えば安いものです。
じゃあ次は？
整形外科で明確な病名などが示されずに痛み止めと湿布をもらって安静を勧められた。でも痛いのは解決してないので困ってる。そんなときに頼るべきところはどこでしょうか。
整骨院/接骨院
整骨院では保険を使えるからお得かも。そんな感じでいざ行ってみると「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷の応急処置しかできない」と言われてしまうことがあります。逆に「うまいことやっておくので保険使って治療しましょう」みたいなところもあります。そのため判断が難しいんですが、正しく整骨院を使おうと思ったら明確な原因のある怪我以外では選択しない方が無難です。ちなみに痛みなどに対して効果が出そうなのはハイボルテージなどの電気治療。あとは腕次第ですが短いマッサージでも効果が出たりすることはあります。
鍼灸院/マッサージ院
お店の選定が若干難しくはあるんですが整形外科で明確にならなかった痛みは、鍼灸院やマッサージ院がベストかと思います。鍼灸院やマッサージ院の主なターゲットが「よくわからないけど痛い」という状態のお客さまなのでそういった症状に対しての正解をいくつか持っていたりします。
整体
こちらは鍼灸院やマッサージ院以上にハズレが多いのでお店選びが難しいです。しかしながらうまく選ぶことさえできれば痛みなどもだいぶ軽くしてもらえることがあるので「選択するなら慎重に」していただくことが必要かもしれません。なお選ぶ際に「あん摩マッサージ指圧師じゃなくてもいいので鍼灸師でもいいし理学療法士や柔道整復師でもいいので国家資格を保持していること」をチェックしてみてください。どれも生理学や解剖学を数年勉強する必要がある国家資格なので最低限の安全性を確保できると思います。
ちなみに宣伝みたいで申し訳ないんですが当院はあん摩マッサージ指圧師と鍼灸師の国家資格を持っているし、急性以外の痛みは割と強い方かと思っています。
もみほぐし
論外です。
いったんまとめ
- 痛くなったらまずは整形外科
- 次は鍼灸院/マッサージ院
- もしくは国家資格を持っている整体院
整体とマッサージの違い
※本来的にはどちらも資格が必要な施術になりますが、ややこしくなるのでここでは資格の有無については触れずに進めます
整体
骨格の歪みを矯正したり筋肉をほぐしたりすることで、体全体のバランスを整え、体の不調改善や予防を目指す施術を行うのが整体です。
決まった型はなくお店によって手法は様々で、徒手療法(としゅりょうほう)という道具などを使わずに主に手を使って治すのが一般的です。
整体は療法としての側面が強いため、体の痛みやしびれなどを何とかしてもらいたいと思ったときはマッサージよりも「整体」が適しています。
マッサージ
マッサージはフランスが発祥の手技療法です。皮膚にオイルやパウダーを塗って求心性(末端から心臓の方向)に滑らせるように施術していきます。現代では主に「オイルマッサージ」と呼ばれることが多いのですが、これが正式な意味合いでのマッサージです。
現在はマッサージの解釈が大きく広がっていて、指圧やあん摩もマッサージと呼ばれますし、それを言い換えた「もみほぐし」なども同じようにマッサージと呼ばれてしまいます。
マッサージ・あん摩・指圧・もみほぐしなどは全て血液循環の改善を目的としていますので、疲れたときや筋肉痛があるとき、仕事終わりで肩や腰が重いときは整体よりも「マッサージ」が適しています。
おまけ：国家資格の有無を確認する方法
厚生労働省が目に鮮やかな謎の色使いのリーフレットを用意してくれています。
資格の有無の確認方法
当院ではHPの施術者紹介ページに免許登録番号が確認できる免許証の写真を載せています。
たぶん他のお店でも国家資格を持ってることで少しでも安心してもらいたいから基本的にはスタッフ一覧みたいなところに資格を載せてるところが多いんじゃないかと思います。免許登録番号っていうのがわかると照会できるので資格名だけで不安な場合は登録番号を聞くと確実です。
今回のお話は以上です。
このブログでは肩こりや腰痛にお悩みの方が少しでもラクになるような情報をお伝えしていきます。次の記事もご期待ください。
免責事項的なやつ
基本的に情報は精査した上で提供いたします。だけど、医学的、科学的根拠に欠ける自分の経験上の話なども含めることが多々ありますのでご容赦ください。
また掲載したセルフケアを行うとき、痛みが出る、痛みが増すようなことがあれば直ぐに中止して、医師の診断を受けてください。これを読んで実施したから症状が悪化したという場合も責任を負うことができないので、その辺だけは十分に注意してください。
