そもそもぎっくり腰ってなに?

実はぎっくり腰の原因はひとつではありません。姿勢の問題。筋力不足。筋肉の柔軟性の低下。中には心因性のストレスが原因と考える先生もいます。当院での検査では「股関節の可動性の悪さ」「大腿四頭筋と大腰筋の短縮」「仙結節靱帯の伸長」が多く見受けられます。

全部がぎっくり腰じゃない

腰付近に急激かつ強い痛みに襲われたときにはきっと「ぎっくり腰だ!」と思ってしまうかもしれません。
しかしながら稀ではあるものの癌が原因で強い腰痛を引き起こしているケースもあります。他の病気が潜んでいる可能性もあります。

急激な腰の痛みの全てを「ぎっくり腰」と決めつけてすぐに整体に行ったり、そのうち治るだろうと放置することがないようにしましょう。

痛みに対してのファーストチョイスはどのような症状だとしても整形外科などの病院です。もちろん整体でもラクになることも多くあるのですがまずは病院で検査をしてもらって「最悪のケース」を潰しておくことが必要です。

その上で、原因が不明であったり治りが悪いようなときには是非ともお近くの腕のいい整体に駆け込んでください。

ぎっくり腰の症状と原因

多いのは「前屈みのまま動けない」という症状です。


屈めた腰を伸ばそうと体を起こすと激痛が走る。前屈のままヨチヨチ歩き。半泣きで当院に駆け込まれる方も。トイレに這っていったというお話をされる方もいるぐらいの非常につらい症状です。


筋膜や骨膜が椎間関節内に巻き込まれて痛みを出すケースもあります。でも特に多い原因は「股関節の可動性の悪さ」「大腿四頭筋・大腰筋の短縮」だと考えています。


大腿四頭筋は太ももの前側。大腰筋は鳩尾ぐらいの高さの背骨と股関節の内側を身体の深いところで結んでいる筋肉。


それぞれ縮こまると体を屈めるように作用します。普段なら多少縮こまっても問題ありません。しっかりと体を動かしてもらうことでちゃんと元の長さまで戻ってくることができます。しかし急激に縮こまって固まってしまうと簡単には戻ってこれなくなってしまいます。


タチの悪いことに急激な短縮は「重いものを持つ」などの”いかにも”な動作じゃなくて、些細な動きでも起こりえるのです。

ぎっくり腰の背景

突然起こると思われがちなぎっくり腰。


これまでの経験上、しっかりと動けていた方が急にぎっくり腰になることは稀です。動けていた方がなる場合には急激に過度の負荷をかけた場合ぐらい。


それ以外の方は必ずと言って良いほど「股関節」と「大腰筋」の動きの悪さが隠れています。

予防と対応

大人になればなるほど太ももを高く上げて歩かなくなります。エネルギーロスのない無駄のない動きをしているとも言えますが、ももを上げるための筋肉は弱っていくし活躍の機会がないと動かし方もぎこちなくなってしまいます。

そうならないためには1日に数回で構いません。立った状態で膝を胸に近づけるようにゆっくりと持ち上げる運動をするだけです。寝てやってもある程度効果はありますが立った状態の方が効果が高いです。バランスを崩さないように壁に手をついておくと良いと思います。


次にもう既にぎっくり腰になってしまった場合の簡易的な対処法をお伝えします。無理に体を捻ったり、痛いところを触ったりしないようにしましょう。

まずは十分に気をつけて椅子に腰掛けます。次に手で太ももの前側に刺激を与えてみましょう。手のひらなどで軽く押して、押し込んだままその手を手前(足の付け根の方)に引いていきます。硬くなっている筋肉を感じとりながら触れるのが理想ですが、何となく硬いかな…?レベルの感覚でも大丈夫。

押して手前に引く。この動作を少しずつ場所を変えながら何度かやってみてください。強く押し込まなくても十分効果があります。

もし押して痛い場合はさするでもいいし軽く叩くでも平気です。そのときは「手前に引く」ことはあまり意識しないでも平気です。


太ももの筋肉が緩んでくれば体を起こせるかもしれません。ただ決して無理だけはしないように注意しましょう。起き上がれそうならゆっくりと体を支えながら慎重に動いてください。


起き上がることができたら(無理に背中を伸ばす必要はありません)、倒れないようにどこかに手を置いて体を支えておいてください。


そして、ゆっくりと足踏みをしてみてください。足をあげる高さは「無理せずに上がるところまで」にしてください。


痛いけど頑張る、みたいなことは厳禁です。なお、痛すぎる場合にはもうちょっと安静が必要かもしれません。楽な姿勢で太ももの刺激の方に戻ってみてください。


いける場合には徐々に足踏みを高くしていきます。何度も言いますが無理は禁物。無理のない範囲で動かしてみてください。


足踏みが問題なくできるようになればゆっくりと胸を張っていきます。コレも最初は苦戦すると思います。


ここまで来れたらあと一歩です。


焦らずにもう一度椅子に腰掛けて、太ももの刺激に戻ってください。太ももが終わったら足踏み。そして体を立てて胸を張る。これを絶対に無理をしないように気をつけながら何度かやってみましょう。


痛みは残ると思いますが少し動けるようになっていれば成功です。


この方法で痛みが一切減らないような場合には少し安静の時間を作って、少し動けるようになったら整形外科などを受診しましょう。

▼まとめ「ぎっくり腰」

  • まずは整形外科の受診を考える
  • 原因はいくつかあるけど基本的には筋肉の問題
  • 股関節と大腿四頭筋と大腰筋が大事
  • 予防と対策は安全に配慮しながら絶対に無理はしない

問題の解決には解剖学的な知識とロジカルな思考が必要となります。そのためぎっくり腰はプロでも苦手意識を持っている先生が多いです。


施術後もいきなりスッと問題がゼロになるわけではなく「立って歩けるようになった」「ちょっとまだ痛いけどだいぶマシ」という状態になることが多いので期待させすぎるのも微妙ですが、来たことを後悔することはないと思いますので、お困りの際は竹林堂整体院を頼ってみてください。


今回のお話は以上です。

このブログでは肩こりや腰痛にお悩みの方が少しでもラクになるような情報をお伝えしていきます。次の記事もご期待ください。

免責事項的なやつ

基本的に情報は精査した上で提供いたします。だけど、医学的、科学的根拠に欠ける自分の経験上の話なども含めることが多々ありますのでご容赦ください。

また掲載したセルフケアを行うとき、痛みが出る、痛みが増すようなことがあれば直ぐに中止して、医師の診断を受けてください。これを読んで実施したから症状が悪化したという場合も責任を負うことができないので、その辺だけは十分に注意してください。