introduction

大腰筋は「腸腰筋(ちょうようきん)」という筋肉群の一部です。腸骨筋・大腰筋・小腰筋の3つを合わせて腸腰筋と呼ばれます。下半身と上半身を繋ぐ筋肉でスムーズな体の動きをするためには最重要と言っても過言ではない筋肉です。

筋肉の情報

◆起始と停止(筋肉が縮むときに動きが小さい側を起始、動きが大きい方が停止

起始:第12胸椎-第4腰椎の椎体・腰椎の肋骨突起
停止:大腿骨の小転子

◆作用(その筋肉が縮むことでどのように体が動くか)

作用:股関節の屈曲・外旋

◆支配神経(どの神経が筋肉を動かすか)

支配神経:腰神経叢 (L1-L3)

様々な角度から見てみる

正面から見た大腰筋
横から見た大腰筋 →が前
背中側から見た大腰筋
股関節の内側(小転子)に入り込む大腰筋

特徴

◆腸骨筋・大腰筋・小腰筋の3つをまとめた腸腰筋という名前で呼ばれることが多いです。

◆名前から腰の筋肉と思いがちですが腰部にはなく、どちらかといえばお腹側の筋肉になります。

◆膝を胸に近づけるような動き(股関節の屈曲)と足をガニ股に広げるような動き(股関節の外旋)の働きがあります。足を固定した状態で大腰筋を作用させると上半身を起こす腹筋運動のような動きになります。

◆ほぼ背骨と同じ深さにあるインナーマッスルです。

施術に関する話

「腸腰筋」とまとめて呼ばれることが多い筋肉ですが体のことを考える場合には、大腰筋と腸骨筋ぐらいの区別はしておかなくてはいけません。小腰筋に関しては作用が強くないことや人によっては存在しないこともあるためあまり気にしなくてもいいです。

股関節を屈曲する力のメインとなる大腰筋。足を固定すると仰向けから上半身を起こす「腹筋トレーニングの動き」ができます。

座り仕事や長時間の車の運転、運動の不足などが続くと大腰筋の動きが悪くなって腰神経叢を圧迫します。その結果「腰が痛い」という信号が脳に送られることになります。腰のどの辺りが痛みますか?と聞いてもぼんやりと「なんとなくこの辺なんだけどよくわからない」という答えが返ってくるときは大体が深層の筋肉の問題。

背骨の横と股関節の内側を結んでいる筋肉は働きが弱ってくると短縮して力が出ない状態となります。短縮すると上半身を下に潰すように(前に屈むように)作用します。お年を召した方が腰を曲げて手押し車を転がしている姿をよく見ると思いますが、あの姿勢の一因は大腰筋の短縮によるものだと考えられます。

いつも腰が痛い。特に何もしてないのに痛い。

そういう方は大腰筋の短縮で前屈みになろうとする体を、対立筋の腰の筋肉を使って常に支えていなければならず、当然腰の筋肉には疲労が溜まります。そこに日々の仕事や家事育児など腰部にさらに仕事を与えると腰が悲鳴を上げて痛みが出ることになります。

大腰筋の働きが弱ってしまうと年齢を問わず「手術が必要」と言われることもあるぐらいの腰のトラブルを招く恐れがあります。

腰だけではなく姿勢にも大きな影響を及ぼすので日頃から、姿勢が悪い・腰が痛い・膝が開く・巻き肩など、気になっている方は是非ともこの大腰筋を復活させてもらえる治療院を探してみてください。