introduction

外旋六筋は名前の通り股関節を外に回す働きのある6つの筋肉の総称です。梨状筋・上双子筋・内閉鎖筋・下双子筋・大腿方形筋・外閉鎖筋。ほぼ股関節の外旋筋のため起始停止や支配神経など、本項では6つまとめてザックリと記載しています。

筋肉の情報

◆起始と停止(筋肉が縮むときに動きが小さい側を起始、動きが大きい方が停止

起始:仙骨・閉鎖孔・坐骨結節
停止:大腿骨の大転子まわり

◆作用(その筋肉が縮むことでどのように体が動くか)

作用:股関節の外旋・外転・内転

◆支配神経(どの神経が筋肉を動かすか)

支配神経:仙骨神経叢と閉鎖神経

様々な角度から見てみる

背中側から見た外旋六筋
横から見た外旋六筋 →が前
前から見た外旋六筋。梨状筋と外閉鎖筋が見える
少し特殊な外閉鎖筋(下から見ています)

特徴

◆上から梨状筋・上双子筋・内閉鎖筋・下双子筋・大腿方形筋・外閉鎖筋。細かく見るとそれぞれ若干違いますが縮まることで大腿骨を外側に回す外旋という作用がメインの筋肉たちです。

◆表層の臀筋群の下にあり6つの筋肉が外旋という作用があることで「深層外旋六筋」とまとめて呼ばれることが多いです。

◆股関節が外れてしまわないように保護もしてくれています。

◆特に股関節を外旋させる力が強いのが内閉鎖筋と大腿方形筋。

◆梨状筋には外転、大腿方形筋には内転という作用も含まれます。

◆ほとんどが仙骨神経叢という神経支配のため、障害されると下肢の感覚や筋力の低下や、腰痛・臀部の痛み、痺れなどの感覚異常・下肢の浮腫などの症状がでます。

◆外旋六筋がうまく働けていないと「足が抜けそう」と表現されるような不快感が出るとも言われています。

施術に関する話

腰痛の中にはこの外旋六筋が原因のひとつになっていることがあります。ただ直接の原因ではありません。

外旋六筋や内旋に働く筋肉などが股関節の動きの悪さを引き起こして、結果、腰痛につながることになります。

色々と筋肉を触ってみても腰痛が解決しないという場合には股関節に繋がっている筋肉にも注目してみるといいかもしれません。

身に覚えのある方は是非この外旋六筋や股関節を見てくれる先生を探してみてください。




ネット上には「◯◯筋が腰痛の原因!」みたいな記事がいっぱいあります。僕も知識や経験の不足から過去に何度か書いてしまったこともあります。ですが、動作は全て協調運動なのでひとつの筋肉だけで問題が解決することはありません。協調運動や運動連鎖はややこしくて難しいし必要な知識量も半端ないのですが、それを理解しないと施術もうまくいきません。色々な症状がなかなか良くならないという方は様々な角度から見てくれる治療院を探しましょう。