意外と知らない「整体/マッサージのこと」
通っちゃダメそうなところ
資格は?年収は?
気になる色々についてお答えします
「どこがいいかわからない」
「毎回高いお金払ってるし相当儲かるんじゃ?」
「どうやったら整体師になれるの?」
気になるポイントを解決できればと思います。
通っていいお店とそうじゃないところ
他院の批判みたいになりそうなのであまり詳しくは書きません。ただこれを読んでいただいた方も一度立ち止まって、本当に自分のためを思ってくれているお店かを判断していただければと思って書いています。
やめておいた方がいいお店
(体験談付きだけど批判じゃないよ!誤解しないでね!)
民間資格のみ あるいは無資格
特に1時間3000円ぐらいの格安店。主にマッサージの店です。
ごく稀にちゃんとした人もいるけど基本的にはそうじゃなく、高い確率で残念な思いをすることがあります。厚生労働省の発表だと肋骨を折られるなどの事故が多く報告されているのは無資格(民間資格も含む)のお店です。実体験として僕も首を2週間程度動かせないダメージを負ったことがあります。
とある格安店では未経験で何も知らない人が数日から10日程度の研修期間で現場にデビューするらしいです。その話を聞いてからは2度と行かなくなりました。そんなところに体を預けるのは恐怖でしかありません。
民間資格や無資格のお店に共通しているのは「体のことを知りたい」「少しでもラクにしてあげたい」という欲求が薄いという点。本気で「治したい」等の欲求がある人は法律的にブラックに近いグレーな無資格でお店をやるメリットがありません。
この手のお店はやめておいた方がいいと思います。
謎の外国人セラピストのお店
価格はまちまちで格安のところもそれなりのところもあるのですが、僕が体験したのは1時間で5000円程度の安くもなく高くもないお店。担当してくれた方が日本の人ではなくて「もう少し弱くお願いします」って言ったら言葉が通じなくて逆にパワフルに押されまくって当然のようにダメージを負ったことがありました。
ひと言文句でも言おうかと思ったけど言葉が通じないし、多分何かあっても責任を取ってくれることはまずないでしょう。
この手のお店はごく稀に「謎のゴッドハンド」が紛れていることがあるんですが、出会える確率はかなり低いのでやめておいた方が無難です。体がぶっ壊れてもいいので強く押してほしいみたいな人以外はやめておきましょう。本気で危険度が高いんで。
口コミの数がエグいお店
1年とか2年の間に口コミ何千件みたいなお店。グループなのか他にも同じ名前のお店がいっぱいあってそっちも口コミがいっぱい。もしかして中の人たちが書いてるんじゃ…?って思ってしまうお店。基本的にお金儲けがお上手。
僕が半年程度修行としてバイトさせてもらったグループ会社もやっぱり口コミの数が多かったです。
ちなみにそのグループ会社は「マッサージが終わって頭がふわふわしてる状態で次の予約を必ず取れ。そして上位クラスのコースへの変更を薦めろ」というような教育をしていました。もちろんお客さまのことなんてこれっぽっちも考えてないです。売り上げのためです。
この手のお店は研修が充実していたりするので体に対しての危険度は少なめです。そのため行くことは問題ないんですが、ぼーっとしている間に次は必要のない上位クラスコースで予約を取られていたり、オプションとか物販とかで思ってたよりずっとたくさんのお金を払うことになったりします。決して油断せず無駄にお金を払わないよう十分に注意しましょう。
お客さまへの態度がおかしいお店
こちらも実体験。この手のお店は同業として本当に心から残念に思います。本当は同業とも思いたくないんですが、会社のポリシーなのか、お金にならなそうなお客さんを排除するようなお店が存在します。
先ほどの話とは別のグループ会社なんですが、その代表がマーケティングのセミナーで「短時間で高単価」を売りにしていて「客を選べ」と教育していることを知っています。
その会社のお店が近くにできて「初回2000円」ってこともあって試してみようと思ったら10分に満たない適当なマッサージを受けて、その後は全部営業。特に検査もなかったのに週に3回1万円を超えるメニューで通えと言われて「高いし週3で通うのは難しい」と答えると態度が急変。こちらからの質問にはまともに答えない。面倒くさそうにあたかも早く帰れと言わんばかり。
あまりに酷いと思ったので口コミサイトで低評価をつけたら、数日後にはすぐ後に満点の評価が複数件入っていました。低評価を隠したいんのでしょう。恐らくは会社ぐるみでこういったことをしているようです。
個人的にはこういうお店が一番許せないしハッキリ言ってしまうと「絶対に行かないでほしい」お店です。ろくな検査もしないで高額メニューを週3回というようなペースで勧めるのは異常です。
不快にさせる何かが起こりやすい上に、万が一何かあっても口裏を合わせて隠蔽されて泣き寝入りを強いられる可能性もあるのでこの手の店は一番避けてほしいです。
謎の改善率と高額メニュー、なお店。
webサイトに「改善率98%!」みたいな文言が載っているところがあります。制作会社に作らせているwebサイトは「改善率○%」と「地域No. 1」的な画像と、ホワイトボードに書かれた「肩が楽になった!」的なのを持ったお客さんらしき人と笑顔の施術者が写った「お客さんの反応」がオールインワンになっている傾向があります。
この手のお店は、得体のしれない「改善率」という言葉を巧みに使って高額で極端に短い施術時間に設定していたり、回数券を売るためのプレゼンに全精力を注ぎ込んできて施術がおざなりになっていたり、物販がえげつないほど充実してたりすることがあります。
ただし、こっちのお店は全力で「あなたのため」みたいな感じでプレゼンしてきます。当然ですけど儲けるための誘導は巧みです。やめづらい回数券を巧みに売ってきたり、高額なメニューに誘導されるため、お金はいっぱいかかりますが結果が悪くないこともあるので何とも言い難い感じ。先ほどの「お客さまへの態度がおかしいお店」とやっていることは似ています。しかし嫌な思いをすることが少ない分、こちらの方が巧妙かもしれません。
ちなみに改善率って何をどうやって測るのか気になって調べてみたら調査をする会社があるみたいです。色々な調査会社があると思うのですが僕が調べたものでは、簡単なアンケートを来院した方々に送って「来院時より良くなっていると思うか?」という設問に10点満点のうち5点以上をつけた数を「改善」としているようです。そしてそのアンケートは反応の悪い人には送らないっぽいです。もちろんやり方はいくつもあるっぽいので一例ですが98%ってそういうことみたい。
お店自体は商売が上手いだけで悪くないことが多いんですが、どうしても「良くする」よりも「お金」に比重が多く乗っかっているので、本当に必要なものかをしっかりと見極めて、必要ないものであれば強い気持ちで拒否しましょう。
怪しすぎるお店
何の検査もしないでいきなり「足の指のせい」などと断言してしまうところや、腰の痛みが「ご先祖様のせい」みたいなところ。検査なしで○○が悪いと言ってくるところは本気で目に見えない何かを信じてしまっているか、何かひとつだけセミナーを受けたり教材を買って、それだけで全ての症状に対応できると思ってしまっている可能性が高いです。
もちろん「見える系」の先生を否定するわけじゃありません。そういう先生ですごい人がいることも知ってるし、その先生はちゃんとした検査をした上で説明をしてくれるので大丈夫なんですが、中には絶対ウソやろ、みたいなことしか言わずにエゲツない価格で商売していることがあるので簡単にいうと騙されないでね。っていう話です。
そして勉強したひとつだけの理論で全部を解決しようとするところは、何がどうなってそこに原因があるかを論理立てて説明してもらえることが少ないし、極端に難しいことを言い出したりするので特定の症状以外はただの素人みたいなことがあります。
通った方がいいお店
(宣伝じゃないよ!誤解しないでね!)
やっぱり国家資格
国家資格持ってても技術が伴っていない人はいます。それでも国家試験に合格していれば少なくとも3年は生理学や解剖学、運動学など嫌でも人体について勉強し最低限の知識は有しているので何をすると危険かぐらいはわかってるはずです。
何よりも安全に施術を受けるためには国家資格の有無は大きな判断基準となります。
あとは健康面に対してのモチベーションが高い人たちが多いので「ハズレ」が少なめ。知識も豊富なので驚くほどの施術効果が得られたりします。
理想を言えば「あん摩マッサージ指圧師」がいいです。厳密に言ってしまうと理学療法士も柔道整復師も業として身体を改善に導くような手技を行ってはいけないからです。ただ鍼灸あん摩マッサージ指圧師を持っている僕からすると本気で勉強した理学療法士さんの知識は本当にすごいって感じます。だからぶっちゃけ医療系の国家資格保持者なら問題ないかなって思ったりします。
手技のこだわりがエグいお店
webサイトに難しいことを熱く書いてたりします。同業の僕が読んでも理解しづらい。おそらく書いている側もほとんどの人が読まないことを理解しているのに思いが溢れてしまって難しくて長い説明を載せてしまっています。
そんな手技のこだわりが強いお店は良くも悪くも「一生懸命」治そうとしてくれます。仮に初回に思った結果が出なかったとしても次回は別なアプローチをしてくれます。もちろん施術が合わなければそこでやめてしまえばいいので失敗しても被害が少なく済みます。
極端にサイトが地味なお店
便利な予約サイトは導入費用とか月額がまあまあ高いです。webサイトはちょっと知識があれば形は整えられるけどカッコよさげなシュッとしたページはお金かかります。
その費用は施術代としてお客さん側が負担することになります。地味なページだったり、予約が電話しかなかったりLINEのみだったり。お客さんから回収することになるぐらいならちょっと不便でもいいっていうお店の方がお客さまのことを考えてくれています。
…思ったよりしっかり書いちゃいました。でも、これでもごく一部です。
わかっていただきたいのは「批判したいわけじゃない」ってこと。ちゃんと自分のためになるお店かどうか。お客さんのためと言いながらお客さんを食い物にするようなお店じゃないか。そんなことを少しだけ考えてみてほしいということが伝わればいいかなと思います。
儲かるの?
整体師の年収や新規参入について
一回に払うお金が高いので儲かってると思われがちですが、年収で言えば何処かに雇われるなら300〜450万円程度でしょう。自分で経営をすると0万円〜3000万円といったところでしょうか。
ベッド数が多く安く良いものを提供できるお店やごく一部の整体師さんは儲かっているかもしれませんが、そこまで抜群に稼げる商売ではないように思います。
(本当はダメだけど)無資格でお店を出せるからか市場は超レッドオーシャンです。コンビニの倍と言われるほど周りを見渡せばライバルばかり。相当な資金力があるなど武器がない限り、新規参入は厳しいと言わざるを得ません。
また当院もそうですが理学療法士や柔道整復師などの国家資格を持った人が整体院として開業するケースが増えてきました。そのため知識や技術に優れる方が勝ちやすい傾向にあります。しかしそれ以外の武器を用意すれば勝てる要素はたくさんあると思うので、やるのであればそのあたりをうまく見つけられるといいかもしれません。
そんな感じの業界なので経営については慎重に検討をする必要があると思います。そうしないと平均以下どころか即廃業という残念な結果となることもあり得ます。
整体師になるための資格
体重をかけて押すような手技、ストレスや疲れの緩和、症状の改善などを行うには「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格が必要です。髪を切ることを職業にするには「理容師や美容師」の資格が必要なのと同じです。これを問題ないと考えている人も多くいるのですが当然法律違反です。
ただ現状はその法律が古すぎること、微妙な判例があることなどから機能不全を起こしていて「無資格でも問題ない」と認識されてしまっています。
しかし無資格のマッサージや整体は「違反していることはわかっているけど見逃されている状態」にあるということを認識しておかないといけません。多くはありませんが逮捕された事例もあります。
何より本気で人の体をいい方向に持っていきたいと考えるのであれば、ちゃんと資格を取りましょう。
解剖学や運動学をしっかりと学んでおかないと、担当した方の人生を台無しにするような事故を起こす可能性があります。もちろん勉強している人でも事故を起こす可能性がないわけじゃないんですが、パーセンテージを下げることはできるはずです。
お店を選ぶのであればちゃんとした国家資格を持っていることを最低限の基準にしてほしいですし、実際にやってみたいと思うのであれば国家資格を取ることをお勧めします。
ただのお金儲けのためだけに健康業界に手を出すのはやめておいた方がいいです。相当な資金力があるなら別ですけど基本的にはもう儲かりません。
まとめ
- 通うお店は慎重に選びましょう
- 意外と儲からないよ
- ライバルが多すぎる
- お店開くならめっちゃ慎重に
- 無資格のところはオススメしない
- 無免許でマッサージしたらダメ
- 本気でやるなら資格取りましょう
今回のお話は以上です。
このブログでは肩こりや腰痛にお悩みの方が少しでもラクになるような情報をお伝えしていきます。次の記事もご期待ください。
免責事項的なやつ
基本的に情報は精査した上で提供いたします。だけど、医学的、科学的根拠に欠ける自分の経験上の話なども含めることが多々ありますのでご容赦ください。
また掲載したセルフケアを行うとき、痛みが出る、痛みが増すようなことがあれば直ぐに中止して、医師の診断を受けてください。これを読んで実施したから症状が悪化したという場合も責任を負うことができないので、その辺だけは十分に注意してください。